老年看護学
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高齢者の日常生活場面における記憶の自己効力感測定尺度(Everyday Memory Self-Efficacy Seale : EMSES)の作成,および妥当性検証のための構成概念の分析
井出 訓森 伸幸
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2004 年 8 巻 2 号 p. 44-53

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抄録

本研究の目的は,高齢者の日常生活場面における記憶の自己効力感を測定する尺度(EMSES)の作成をおこない,ツールの構成概念を分析することから,EMSESの妥当性を検証しようとするものである.分析結果から,EMSESの質問項目には内的な一貫性があり,概念構造的にも妥当性のある質問紙であることが示された.また,メタ記憶や一般性自己効力感との関係では,全体的な記憶の自己効力感といった潜在変数が存在することがわかり,日常生活における記憶の自己効力感やメタ記憶に対する一般性自己効力感の直接的な影響も明らかとなった.自己効力感の向上は,認知機能を含むあらゆる行動に対する積極性を導き出すことが知られている.今回作成したEMSESは,高齢者の認知機能を記憶の側面から予測するツールとして,また看護介入等の効果測定尺度として応用される可能性が高いだろう.

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