抄録
本稿の目的は,訪日教育旅行の目的地としての東京都の特性を,受入態勢と外国人児童生徒の観光
行動の分析を通して明らかにすることである。東京都ではインバウンド対応の一環として,2007年以
降訪日教育旅行を受け入れている。東京都には約80もの受入先の学校が存在し,比較的安定した訪日
教育旅行の受容基盤が確保されていた。東京都が受け入れている訪日教育旅行の特性は,実施形態や
行程内容から欧米豪,台湾を除くアジア,台湾に大別して説明することができた。また,訪日教育旅
行の実施において,東京都は多様な企業や都市型観光資源が集積するため,企業見学やレジャー目的
の都市観光を実施するうえで優位性を発揮していた。しかし,東京都だけでは訪日教育旅行のニーズ
全てに対応することができず,東京都が受け入れている訪日教育旅行であっても,その周遊範囲は広
域的であることが指摘された。