地理空間
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選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 小池 拓矢, 杉本 興運, 太田 慧, 池田 真利子, 飯塚 遼, 磯野 巧
    2018 年 10 巻 3 号 p. 125-139
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究は,東京大都市圏における若者のアニメに関連した観光・レジャーの実態と空間的な特徴を明らかにすることを目的とした。Web上で実施したアンケートからは,単にアニメに関連した観光・レジャーといっても,その活動の種類によって参加頻度が大きくことなることや,日常的に顔を合わせる友人だけでなく,オンライン上で知り合った友人とも一緒に観光・レジャーを行う層が一定数いることが明らかになった。さらに,アンケートの結果をもとに,来訪されやすいアニメショップや印象に残りやすいアニメの聖地の空間的特徴を概観した。秋葉原や池袋などのアニメショップが集積する場所として有名な場所だけでなく,新宿にもその集積がみられた。また,都心部にもアニメの聖地が数多くみられ,多くの若者が訪れていることが明らかとなった。
  • 飯塚 遼, 太田 慧, 池田 真利子, 小池 拓矢, 磯野 巧, 杉本 興運
    2018 年 10 巻 3 号 p. 140-148
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     近年の世界的なクラフトビールブームのなか,ビールの消費量が減少している日本においてもクラフトビールの人気が高まりをみせている。とくにクラフトビールをテーマとしたイベントは全国各地で開催されるようになり,単なるプロモーションだけではなく,地域活性化の手段としても注目され始めている。また,それらのイベントは,ビール離れが進行しているとされる若者をも集客しており,若者のイベントとしての様相もみせている。本研究は,イベントの集積がみられる東京都を対象として,クラフトビールイベントの展開と若者のクラフトビール消費行動の関係性についてフード・ツーリズムの観点から一考察を試みるものである。そこでは,クラフトビールイベントを通じた若者の消費行動による新たなクラフトビール文化が形成され,その文化を背景とするオルタナティブな都市型フード・ツーリズムの形態が存立していることが示唆された。
  • 池田 真利子, 卯田 卓矢, 磯野 巧, 杉本 興運, 太田 慧, 小池 拓矢, 飯塚 遼
    2018 年 10 巻 3 号 p. 149-164
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     東京五輪の開催(2020)に始まる都市観光活性化の動きのなかで,東京のナイトライフ研究への注目が高まりつつある。本研究は,東京の夜間経済や夜間観光の発展可能性を視野に,東京における若者向けのナイトライフ観光の特性を,夜間音楽観光資源であるクラブ・ライブハウスに注目することにより明らかにした。まず,クラブ・ライブハウスの法律・統計上の定義と実態とを整理し,次に後者に則した数値を基に地理的分布を明らかにした。その結果,これら施設は渋谷区・新宿区・港区に集中しており,とりわけ訪日観光という点では渋谷区・港区でナイトライフツアーや関連サービス業の発現がみられることがわかった。また,風営法改正(2016 年6 月)をうけ業界再編成が見込まれるなかで,渋谷区ではナイトライフ観光振興への動きも確認された。こうしたナイトライフ観光は,東京五輪に向けてより活発化していく可能性もある。
  • 太田 慧, 杉本 興運, 上原 明, 池田 真利子, 飯塚 遼, 磯野 巧, 小池 拓矢
    2018 年 10 巻 3 号 p. 165-179
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     近年,日本におけるクルーズ需要は高まっており,都市におけるナイトクルーズも都市観光におけるナイトライフの充実を図るうえで重要な観光アトラクションとなっている。本研究は,東京におけるナイトクルーズの一つとして東京湾納涼船をとりあげ,東京湾納涼船の歴史と運航システムを整理し,東京湾納涼船の集客戦略と若者の利用特性を明らかにした。1990年代以降の東京湾納涼船の乗船客数の減少に対して,2000年以降に若者をターゲットとした集客戦略の転換が図られ,ゆかたを着た乗船客への割引や若者向けの船内コンテンツが導入された。その結果,2014年以降の年間乗船客数は14万人を超えるまでに増加した。乗船客へのアンケート調査の結果,東京湾納涼船は大学生を中心とした若者にとって金銭的にも心理的にも乗船する際の障壁が低いことが明らかになった。つまり,安価で手軽に利用できる東京湾納涼船は学生を含む若者にナイトクルーズ利用の機会を増やしている。
  • 磯野 巧, 杉本 興運, 飯塚 遼, 池田 真利子, 小池 拓矢, 太田 慧
    2018 年 10 巻 3 号 p. 180-194
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿の目的は,訪日教育旅行の目的地としての東京都の特性を,受入態勢と外国人児童生徒の観光 行動の分析を通して明らかにすることである。東京都ではインバウンド対応の一環として,2007年以 降訪日教育旅行を受け入れている。東京都には約80もの受入先の学校が存在し,比較的安定した訪日 教育旅行の受容基盤が確保されていた。東京都が受け入れている訪日教育旅行の特性は,実施形態や 行程内容から欧米豪,台湾を除くアジア,台湾に大別して説明することができた。また,訪日教育旅 行の実施において,東京都は多様な企業や都市型観光資源が集積するため,企業見学やレジャー目的 の都市観光を実施するうえで優位性を発揮していた。しかし,東京都だけでは訪日教育旅行のニーズ 全てに対応することができず,東京都が受け入れている訪日教育旅行であっても,その周遊範囲は広 域的であることが指摘された。
  • 杉本 興運
    2018 年 10 巻 3 号 p. 195-
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
  • 兼子 純
    2018 年 10 巻 3 号 p. 196-198
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
  • 李 虎相, 兼子 純, 駒木 伸比古
    2018 年 10 巻 3 号 p. 199-208
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿は,韓国の基本的な人口動態を明らかにするとともに,少子高齢化の進展する日韓の地方都市に対する活性化策について検証することを目的とする。韓国国内の地域別の人口分布とその変化についてみると,首都ソウルおよび首都圏への一極集中が進んでおり,それらの地域以外からの人口流出によって都市間格差が拡大している。首都圏に隣接する忠清南道の都市群を事例として,その人口動態を分析した結果,首都圏に近接して位置する人口規模の大きい都市ほど人口増加を示す一方で,下位都市では大幅な人口減少を示しており,道内部でも二極化する構造が明らかとなった。加えて本稿では,そうした都市間格差を是正するための日本と韓国における都市活性化策について,特に2000年代以降の地方都市への施策を比較・検討した。両国に共通する特徴として,1990年代の景気後退の影響により,政策の方向性が経済成長を前提とした国家主導型から,低成長時代を見据えた地域主導型に転じていることを指摘できる。
  • 山元 貴継
    2018 年 10 巻 3 号 p. 209-221
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     朝鮮半島は歴史的に,冬の北西からの季節風と外敵に備えるために,多くの都市や集落が盆地地形に立地する傾向が強かった。そして,都市の中心部全体を城壁で囲んだ「邑城」では,城門の外側に市場が形成され,その市場が現在の韓国の多くの地方都市の中心商業地として成長した。戦災や本格的な再開発を大きく経験しなかった韓国の地方都市では1970年代以降,「旧市街地」と少し距離をおいたところに「新市街地」が建設されたところが少なくなく,両市街地は機能的にも互いに異なる中心商業地として役割を分担している場合が多い。それだけでなく,韓国は日本よりも店舗の開業と廃業がたやすく,店舗移転もいとわない商慣習のもと,賃貸店舗が多数を占めた中心商業地では,店舗の交代が頻繁に発生する。このように,人口減少に伴うダウンサイジングにも対応しやすい特徴をもっている韓国地方都市の中心商業地は,日本の地方都市の中長期計画の立案にも多くの示唆を提示することと期待される。しかしながら,韓国独自の都市構造と文化などによってもたらされている部分が多いため,慎重なアプローチが求められる。
  • 駒木 伸比古
    2018 年 10 巻 3 号 p. 222-235
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿は,韓国において現在みられるような「割引店」を主とした大型店が業態として確立した背景を把握するとともに,立地状況を明らかにすることを目的とした。その際に,韓国における政策転換に伴う小売業に関する制度の変化との関わりにも注目した。そして韓国における流通業,特に大型店に関する規制の変遷を整理するとともに,韓国における大型店が業態としてどのように成立,成長してきたのかを検討した。さらに,地図化することで,現在立地している大型店の出店時期や規模について考察した。その結果,(1)大型店に関する流通規制の方向性が2010年前後に大きく変化したこと,(2)流通規制の変化に伴い,1990 年代にソウル大都市圏や広域市などに限定されていた大型店の立地が,2000年代に入り地方の小都市にまで全国展開していったものの,2010年代になると出店数が急激に減少し,立地も大都市圏付近に回帰しつつあること,の2 点が明らかとなった。
  • 橋本 暁子, 全 志英, 駒木 伸比古, 山元 貴継, 山下 亜紀郎, 兼子 純, 李 虎相
    2018 年 10 巻 3 号 p. 236-246
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿は,韓国の地方都市における商業地域を把握することを念頭に置き,建物利用や業種構成に着 目したフィールドワークに基づく土地利用データベースの作成手順を紹介するとともに,その有効性 を検討した。データベースの作成に関しては,韓国における地図データの整備・利用可能状況,研究 対象都市およびその調査範囲の設定方法,現地調査における手順・留意事項,GISデータ作成方法を整 理して示すとともに,結果例を提示した。その結果,水平的・垂直的な土地利用の分析だけでなく新 旧市街地の定量的な比較も可能であり,GISを援用することで,空間的な分布・変化の傾向も把握可能 であることを示すことができた。また,都市内部構造の転換点とその要因を追及することも可能であ り,韓国における都市間の比較や,韓国と日本の地方都市の比較を見込めることを指摘できた。
  • 山下 亜紀郎
    2018 年 10 巻 3 号 p. 247-257
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿の目的は,韓国忠清南道公州市の旧市街地南部を対象に,同地区を流れる済民川の景観変化と住民による地域活性化の取り組みを明らかにし,近年の河川環境の創造が住民意識や地域活性化にもたらした意義について考察することである。1970年代までの済民川は,土手と柳並木に象徴される,洗濯・水遊びの場として住民に身近な存在であった。しかしながら1980年代になると,水質が悪化し流量も減少し,コンクリートの護岸で生活空間と隔てられた存在になった。2000年代以降,水質や流量が回復し,そして2011年から大規模な生態河川造成事業が実施され,現在の済民川の景観が形成された。この一連の景観変化の中で,地域住民がどの時代の済民川の景観を原風景として捉えているかが,現在の済民川に対する多様な評価に影響している。済民川における新しい景観の創出は,まずそれを肯定的に評価している人たちによる,さまざまな地域活性化の取り組みを呼び起こしたという意義がある。
  • 兼子 純
    2018 年 10 巻 3 号 p. 258-275
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/13
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿は韓国忠清南道扶余郡を対象として,その中心商業地区の構造を明らかにするとともに,そこ での地域活性化への取り組みを検証した。扶余郡の中心商業地区は,他都市から独立した商圏を有し, 戦前からのルーツをもつ二つの在来市場を中心に発展してきた。しかし,人口減少と急速な高齢化局 面にある扶余郡では,商圏規模の縮小が懸念されている。一方で,世界遺産を含む百済の歴史的資産 が中心商業地区の徒歩圏に集中するという条件を活かして,観光客を増加させて中心部を活性化する という動きも加速している。中心商業地区の土地利用と店舗の経営特性を分析した結果,特定業種の 局地的集積と,扶余市場地区での経営者の高齢化が明らかとなった。また,扶余市場では,青年商人 創業支援事業を通した若い世代の経営者の育成が図られており,今後こうした取り組みが成果を挙げ るためには,新規出店者と既存出店者,行政や関連団体との連携が必要とされている。
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