地理空間
Online ISSN : 2433-4715
Print ISSN : 1882-9872
指定管理者制度を導入した公の施設の地域的役割
群馬県高崎市を事例に
金子 愛
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 7 巻 1 号 p. 67-82

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抄録
 本研究では,指定管理者制度を導入した公の施設において,その施設の管理者および管理者指定の過程,サービス供給等の運営形態を明らかにし,施設がもつ地域的役割を解明することを目的とする。調査を実施した施設を公募か非公募か,新設施設か既設施設かによって四つに分類して考察を行った結果,公の施設がもつ地域的役割は類型ごとに異なり,商業施設化,行政の効率化,公共性の維持,従来機能の充実強化といった地域的役割の存在が明らかとなった。さらに,指定管理者制度を導入した施設の中には,ある一つの地域的役割に加えて,他の類型における地域的役割を同時に担っている施設がみられた。このように,本来の施設がもつ機能や各指定管理者の構成・意識・運営形態の違いによって,ある一つの地域的役割に加えて第2,第3の地域的役割を担う施設が存在し,こういった地域的役割の変容や拡大はその施設を運営する指定管理者によるところが大きいことが明らかとなった。
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© 2014 地理空間学会
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