2021 年 2 巻 2 号 p. 52-57
超高齢者の訪問リハビリテーション(訪問リハ)での,環境調整による日常生活活動(ADL)向上に関する報告は,知る限り明らかではない.症例は,左放線冠梗塞を発症し右片麻痺となった 90 歳代の超高齢の女性である.今回,当センターの回復期リハビリテーション病棟入院中に家屋調査を行い,住宅改修後に,家族介助のもと自宅生活となった.手すりの設置位置の軽微な違いにより,入院時と比較し介助量の増大を認めたため,訪問リハにて環境調整を行い,適した環境で動作練習や指導を繰り返し行った.結果,ADL 能力の向上と自身で行える活動が増加し,主体的な目標達成が図れた超高齢女性の症例を経験したため報告する.