2022 年 3 巻 2 号 p. 19-25
病理解剖の対象を在宅看取り例へ拡大する新たな試み 「おだやかな看取りを明日に活かすみち」 では、これまでの約 10 年間で神経疾患の実績が 82 件に達した。そのうち在宅で看取った主治医自身が臨床病理検討会(CPC)で臨床提示を行った 5例では、当事者意識が高く、医学的解析をこえたケアの内容や家族に考察がおよび、CPC 参加者に与えるインパクトも強いことを示す。神経疾患の療養は在宅へと移るが、看取りを担当した在宅医自身がその CPC まで主体的に参加できれば、在宅医療ならではの問題を在宅医の視点でとらえ、その学びを共有する CPC として地域連携を深める形となると期待される。