歯科診療所は,口腔機能のみでなく摂食嚥下機能にも関わる機会が増えている.今後,地域の中での口腔および摂食嚥下の診療の充実を図るため,歯科診療所における言語聴覚士(ST)の雇用による効果と問題点を明らかとする.歯科診療所でST を雇用する歯科医師4 名を対象として半構造化面接による調査を行った.質的分析を行い,5 つのカテゴリーに分けた.歯科で働く ST の背景を調査したことで,歯科診療所での ST の役割と活躍する上での課題が可視化された.歯科診療所において地域高齢者の口腔や摂食機能に ST が積極的に関わるための環境やシステム構築の重要性が明らかとなった.