2022 年 3 巻 suppl.-2 号 p. 15-18
訪問診療において感染対策は重要であり,特に高齢者介護施設における感染対策は生命にかかわることもある.85 件の介護施設,入居者約 2500 人を対象にデータ解析を行ったところ,2020 年 2 月から 2021 年 10 月までの間に,21 の施設で COVID-19 陽性者が発生した.そのうちの 3 施設ではクラスターとなった.
施設内で感染が広がった原因として,食事,会話,レクリエーション,介助などが考えられた.介護施設クラスターを抑えるためには,介護スタッフへの指導・教育,個人用防護具の正しい使用,ワクチン接種の推進も必要である.病院・保健所等,他機関との連携をしっかり行うべきである.