日本在宅医療連合学会誌
Online ISSN : 2435-4007
症例
訪問診療中に皮下埋め込み型中心静脈ポート感染を呈し自宅にて抜去を行った胃癌末期の1例
石黒 太志 服部 智司森 秀介近藤 千種加藤 豊
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2024 年 5 巻 2 号 p. 42-46

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抄録

皮下植え込み型中心静脈カテーテルポート(CVポート)の感染を呈した場合には,抜去を含めた迅速な対応が必要となる.しかし,患者背景によっては抜去が困難な場合もあり,血流感染症などの重症化につながることもある.73歳,男性.胃癌末期の緩和療法目的に訪問診療開始後,発熱とCVポート部の感染所見を認めた.病院でのCVポート抜去を勧めたが,受診が困難なため自宅にて局所麻酔下に抜去を行った.感染の再燃はなく創部は治癒し,抜去後41日目に自宅で永眠した.病院への移動が困難な状況でCVポート抜去が必要となった場合には,訪問診療での抜去処置は治療選択肢の一つとして有効と考えられた.

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© 2024 一般社団法人日本在宅医療連合学会
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