本研究の目的は,がん終末期療養者を看取る訪問看護師の自己効力感とピアサポートの実施状況との関連を明らかにすることである.訪問看護師1,686名を対象に質問紙調査を行い,最終的に319名(有効回答率18.9%)を分析した.訪問看護師経験年数は平均7.6年,がん看護経験年数は平均11.9年,がん療養者の看取り件数は年間平均8.9件であった.GSES得点は,平均6.9±2.6点と低い傾向であった.自己効力感とピアサポートの実施状況の関連では,「週に1回程度,看護師間でケース検討を行い,患者・家族との物語を語り合う」ことや「所属施設外の訪問看護師と互いに看取りの看護実践を肯定する」ことが関連していた.