2024 年 5 巻 4 号 p. 16-24
目的:在宅医療でのがん患者の終末期過活動せん妄に対する薬物治療の実態を明らかにする.
方法:2022年10月,同時点の日本在宅医療連合学会認定専門医を対象として横断的ウェブ調査を行った.
結果:401人中67人が解析対象.内服可能時はリスペリドン(96%),クエチアピン(90%)が第一選択となり,効果不良の際は抗精神病薬変更やベンゾジアゼピン系薬剤追加(ジアゼパム坐67%,ミダゾラム注61%など)が多かった.内服不能時はハロペリドール注(72%),ミダゾラム注(63%)が選択された.
結語:在宅医療でのせん妄治療の実態が明らかになった.在宅環境の特性を考慮した体系的治療開発が求められる.