2024 年 5 巻 4 号 p. 7-15
在宅患者を往診し,本来なら病院等で精査が必要と考えても,病態が不詳なまま在宅医療を続けざるを得ないことがある.そこで往診時にポイントオブケア超音波(Point of Care Ultrasound:以下POCUS)を行って病態を把握し,紹介するか在宅で継続するか判断した.判断の妥当性は,紹介では病院等で精査されれば妥当,精査不要であれば不適当,在宅では在宅のままなら妥当,その後病院等へ紹介すれば不適当とした.往診時に本来なら在宅でなく精査のため紹介が必要と判断した患者にPOCUSを実施したところ,紹介せずに在宅を継続できた患者は73%に上った.その中には在宅のまま治癒・寛解した患者のほか,予定通り在宅での看取りを行えた患者もいた.