2011 年 14 巻 p. 87-106
高大接続,特に大学生の学力低下と,それに伴う学力担保措置のありかたについて,公開データと共に,未公開のベネッセ教育研究開発センターが行った調査結果に基づいて考察する.同センターでは,高校生とその保護者に対する進学に関する意識調査,全国の高校進路指導部の教員に対する進路指導と大学改革に関するアンケートを行った.本論文では,それらの結果をもとに,近年のユニバーサル化に伴って大学生の学力低下が起きている問題の真のありかを検討するとともに,問題解決のために高大接続テストなどの学力担保措置に求められる適切な方法や形式について,示唆を試みた.