高等教育研究
Online ISSN : 2434-2343
特集 大学評価 その後の20年
認証評価の課題と可能性
野田 文香
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2020 年 23 巻 p. 33-52

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抄録

 導入から16年が経過した認証評価は,その目的である質の保証・改善については一定の成果がみられる一方,「社会への説明責任」は十分に果たしきれていないことへの懸念が示されてきた.法令適合性を重んじた外形的評価の限界や質保証の国際スタンダード化を背景として重点評価項目となった内部質保証には,今後,学生が身に付けるべきアウトカムを基軸とした「学位プログラム」の構築をはじめ,教育プログラムの質保証のより一層の充実が求められる.学修者主体の教育と学位等の国際通用性の確保を目指し,認証評価が高等教育と社会とを結びつけるプラットフォームとして機能していくために,社会的目線を伴うアウトカムに紐づいた参照基準や資格枠組みなどを,質保証制度に組み込んでいくことが重要である.

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© 2020 日本高等教育学会
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