この総説では,持続可能な社会に必要な総合知の創出に向けた水文学の可能性について論じた。まず,水が持つ4つの特徴,水文学の歴史,地球環境研究と持続可能性研究の統合の動向について説明した。さらに,水文学の変化と工業化,都市化,緑の革命などの社会変革との関係を整理した。これらに加えて,この総説では,自然水文学,社会水文学,人文水文学の分類だけでなく,学問,学際,超学際としての水文学についても議論した。最後に,この総説では,地球と人類のシステムに組み込まれた歴史として,総合知の創出に向けた水文学の可能性を概観した。