2002 年 13 巻 2 号 p. 40-45
配位子交換過程における銅の同位体効果を, キレート樹脂系とEDTA錯体系のクロマトグラフィーによって研究した。キレート樹脂系では二つの異なるイオン相互作用のケース (Cu-H系とCu-Co系) で実験を行った。この二つの場合にはブレークスルー方式で実験され, EDTA系の場合には逆ブレークスルー方式で行われた。全ての場合において重い同位体である65Cuが有機配位子を持った錯体の方に濃縮した (キレート樹脂系においては樹脂相, EDTA錯体系においては溶液相) 。キレート樹脂系の場合の同位体分離係数εは1.1×10-5であり, EDTA系に関しては, 理想的なクロマトグラムが得られ, 同位体分離係数εは1.3×10-5であった。