2002 年 13 巻 2 号 p. 46-52
多孔質強酸性陽イオン交換樹脂を用いて, Zn-EDTAの配位子交換反応における亜鉛同位体効果の研究を行った。温度条件60℃で亜鉛バンドを28m泳動させたところ, その前端および後端はシャープな界面が保持された。表面電離型質量分析装置による同位体比測定の結果, 66Znが亜鉛バンド前端に濃縮されることが明らかとなった。単位質量当たりの同位体分離系数 (ε/ΔM) および分離一段の高さ (HETP) はそれぞれ8.0×10-5および0.9mmであった。この結果およびイオン交換樹脂を用いた他の元素の同位体分離研究の結果を用いて, 同位体分離系数の質量効果および流速とHETPとの関係を議論した。