国際保健医療
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Print ISSN : 0917-6543
活動報告
バヌアツ国におけるLEDライトボックス普及による顕微鏡マラリア診断の改善
-試行的実施と今後の課題について-
大橋 眞川端 眞人石井 明George TALEO
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2010 年 25 巻 1 号 p. 41-45

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抄録

 マラリアは、熱帯や亜熱帯地域の発展を妨げる要因となっている疾患であり、マラリアの診断は重要な課題である。これまでに、LEDを用いたライトボックスを作成し、ソロモン諸島のマラリア流行地の診療所に配布して、その有効性を調べてきた。今回は、ソロモン諸島国の隣国であるバヌアツ国において、同様のLEDライトボックスを、マラリア診断を行っている診療所等に配布して試行的にマラリア診断に使用してもらった。1 年間の試用の後に、その有用性と問題点についての検証を行った。 その結果、今回配布したLEDライトボックスのマラリア診断における有用性が確認された。その一方では、マラリア検査に携わる技師が、電子技術に関わる知識をほとんど持ち合わせていない事も多く、このLEDライトボックスの使用を継続的なものにするためには、同技術をマラリア診断技術の講習において取り扱うことなどが必要であることが明らかになった。

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© 2010 日本国際保健医療学会
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