国際保健医療
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ウズベキスタンにおけるリハビリテーションの現状
大室 和也北尾 友範
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2013 年 28 巻 2 号 p. 93-99

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抄録
緒言
筆者は、ウズベキスタン共和国(以下、ウ国)の国立障害者リハビリテーションセンター(以下、リハセンター)に理学療法士として勤務する機会を得たが、本邦において、ウ国のリハビリテーションに関する情報は皆無に等しかった。そのため本稿では、ウ国におけるリハビリテーションの現状を報告し、またウ国の医療・社会福祉制度の一端を紹介した。
方法
2010年8月から2012年6月の間で、ウ国のリハセンターにおいて見聞調査した情報と、文献および資料から得た情報をまとめた。
現状
理学療法士等の資格制度がないウ国では、リハセンターにおいて、医師と看護師がその役割を分担していた。入院患者の疾患は、整形外科疾患が半数以上であった。近年、年間患者数は4,000人を超え、平均在院日数は約2週間であり、日本のリハビリテーションセンターの状況とは大きく異なることが分かった。また、ウ国全土から患者を受け入れており、ウ国の中心的組織であることが伺われた。
考察
現在は、医学的リハビリテーションの機能に重点が置かれているため、社会的、職業的リハビリテーションの機能を充実させていくことは今後の課題である。
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© 2013 日本国際保健医療学会
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