日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携
Online ISSN : 2434-4842
Print ISSN : 1883-6380
救急救命士の経験学習
経験と能力の関係性
高橋 平徳
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2015 年 8 巻 1 号 p. 2-9

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抄録

【目的】救急救命士のキャリア段階における経験と獲得される能力の関係性を明らかにする。 【方法】経験年数11 年以上の者を対象に質問紙調査を実施し,107 名の回答を分析した。 【結果】1〜10 年目までは,病院実習が救命活動スキルを,他分野専門職との連携プロジェクトがマネジメントスキルを高め,部下・後輩の指導と他地域職員との出会いが両スキルを高めていた。11 年目以降では,医師との関わりや組織異動が救命活動ノンテクニカルスキルを,職場改革や他分野専門職連携プロジェクト,激甚災害での活動がマネジメントスキルを高めていた。他職種との関わりは上記両スキルを同時に高めていた。 【結論】各キャリア段階での能力と経験の関係性を明らかにした。また救急救命士は,1〜10 年目までは同職種連携を中心に,11 年目以降は他職種との連携から能力獲得が促されていることを明らかにし,他職種と連携して学ぶ上で自らの専門性の熟達が必要となることを示した。

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© 2015 日本保健医療福祉連携教育学会
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