2009 年 11 巻 1 号 p. 27-39
医療・福祉・居宅機能ユニット統合システムの発展性が利用者に与える影響を研究するために機能ユニット統合システム指数(以下FIとする)と利用者評価指数(以下UIとする)を考案しドイツ、北欧諸国の8つの統合センターに対して訪問調査を行った。FIを用いて分析した結果、各国の制度、統合センターの名称、機能ユニットの組合せ等が異なる場合でも統合システムの発展度と特徴を明確に捉えることができた。さらに、UIを用いることで統合センターが利用者に与える影響も捉えることができた。FIとUIの比較分析では、統合システムの発展度が高まると利用者効果も高まることを明らかにした。最後に、発展性の高い統合システムは高齢社会のニーズに適応しているので、わが国でも推進する意義があることを提示した。