バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
バイオフィードバック総論
辻下 守弘
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2023 年 47 巻 4 号 p. 190-

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抄録
バイオフィードバック(Biofeedback: BF)は,自分の身体の状態を確認しながらその状態を自己調整する治療法あるい はトレーニング法として,医療や心理の分野で広く使われている.BF は,ホメオスタシス(恒常性)を補う科学的手法であり,身体の内部や外部の環境が劇的に変化する現代社会において,そのニーズが世界中で高まっている.特に,コロナ禍では,ウエアラブルデバイスとしての BF 機器が数多く開発され,人と接することなく遠隔で治療やトレーニングができることで重宝された.さらに,BF は,「今ここ」の自分の状態に意識を向ける手法であり,瞑想法の一つであるマインドフルネスと共通していることから,最近注目されているポリヴェーガル理論とも関連するといわれている.本稿では,BF の歴史と原理を説明した上で,BF の適用範囲や使われる生理指標および今後の発展について概説する.
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© 2023 バイオメカニズム学会
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