本研究では視覚刺激である「色」に着目し、色彩視が有意であるとされる発達障害児を対象に実施した抽象的色嗜好及び色のイメージ実験結果について報告する。特徴としては、1)実験に用いた色はマンセル及び建築・インテリア計画などで使用される配色イメージ分類により設定、2)不一致度による個別差を考慮した分析手法をもちいた点である。結果、主に以下の点を確認できた。1)T-1色(ピンク)に共通した嗜好傾向がある。2)同配色イメージ分類内でも他色より「-」イメージを感じる色がある。3)S/U-5色(薄紫)の嗜好・イメージの傾向に特徴が見られる。4)嗜好性「好き・嫌い」には情緒的イメージ「うれしい・かなしい」と興奮・沈静イメージ「きもちいい・うるさい」の親密性が高い。