2015 年 17 巻 1 号 p. A31-A39
本研究では、対象者の表情と幸福時のモデル表情の近似の割合を1〜100%のSmile Index(SI)として数値化する表情測定技術を用いた行動観察調査を、2日間、認知症グループホームにおいて実施し、以下の知見を得た。1)「会話」、会話を伴う「家事行為」「視聴」「食事」において高いSIが測定され、利用者の表情は会話の有無の影響を強く受けること、2)「家事行為」「視聴」「食事」は、会話を伴う割合の高い順に、高いSIが測定されたこと、3)「家事行為」中の会話は、重度の利用者においても一定の回数が観察され、ADLによらない利用者間の交流の機会となっていること。