福祉のまちづくり研究
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Print ISSN : 1345-8973
放置自転車が視覚障害者の歩行の安全性に及ぼす影響に関する研究
福原 幸近藤 光男有本 浩太郎渡辺 公次郎
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ジャーナル オープンアクセス

2005 年 7 巻 1 号 p. 20-28

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抄録

2000年11月に「交通バリアフリー法」が施行されてから、歩行空間のバリアを解消するための整備が急速に進められている。整備が進むにしたがって、高齢者や身体障害者等が公共交通機関を利用し、外出する機会が増加することが予測されるが、しかし一方で、主要な駅前歩道には自転車が多く放置され人々の歩行に様々な影響を及ぼしている。そこで、本研究では、歩道だけでなく、視覚障害者誘導用ブロックまでもが放置自転車によって占拠されている状況を受けて、歩行者の中でも、視覚障害者の歩行に着目し、放置自転車が視覚障害者の歩行時の安全性にどの程度の影響を及ぼしているかについて明らかにした。影響分析には、視覚障害者に対して実施した駅前歩行に関するヒアリング調査、JR徳島駅前周辺における放置自転車の実態調査および自転車利用者に対して実施したアンケート調査の結果を用い、結果として、誘導用ブロックが敷設されていたとしても、それだけでは視覚障害者の安全な歩行は確保できないことがわかった。その上で、「交通バリアフリー法」をより有効なものとするためにも、今後取り組まなければならない課題について示した。

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