社会言語科学
Online ISSN : 2189-7239
Print ISSN : 1344-3909
ISSN-L : 1344-3909
指さし行動と発話による談話の達成(<特集>相互作用のマルチモーダル分析)
荒川 歩
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 14 巻 1 号 p. 169-176

詳細
抄録
これまで指さし行動のさまざまな機能が指摘されてきた.しかし,日本人が会話時に,その場にない事象に言及するためにお互いを指さすという行動については十分な検討が行われていない.そこで,本研究では,22名の友人同士の会話を観察し,指さし行動を調査するために,いくつかのカテゴリに分類した.その結果,話者は,その場にない事象でも,聞き手が知っているものであれば聞き手を指さす行動が生起していた.この現象の背景には,主語や目的語を省略可能な日本語の特徴があると思われる.
著者関連情報
© 2011 社会言語科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top