社会言語科学
Online ISSN : 2189-7239
Print ISSN : 1344-3909
ISSN-L : 1344-3909
新潟県阿賀北地域における語中・尾ガ行音(<特集>方言)
大橋 純一
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 7 巻 1 号 p. 30-40

詳細
抄録

新潟県阿賀北は,その北・東部において山形県・福島県と接し,新潟県下越にありながらも,それらとの中間的・過渡的性質を内有した方言域として特立している.語中・尾ガ行音もその例にもれず,小域ではあるが,[^〓g]〜[~g]という,全国的にも稀少と言える相の分布を今に残している.本稿では,その現在状況を,実相の機械分析と分布の全域的把握とによって明らかにするとともに,各実相の実現傾向やその意味について,主として音環境の観点から分析を加える.その結果として,[^〓g]〜[~g]の相が,当域にはなお多域・広範にまたがってみとめられること,ただしその実現の仕方に,音節構造による規制や当該子音に対する前・後接母音の広狭関係等が関わる場合のあることを論じるものである.

著者関連情報
© 2004 社会言語科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top