産業ストレス研究
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【大会長講演】
産業ストレスの現状と研究
-これまでの30年間の振り返りと今後への提言-
太田 充彦
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2025 年 32 巻 4 号 p. 249-255

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抄録

過去 30 年間,日本は大きな社会経済的変容を経験し,それが労働文化や労働者の思考に影響を及ぼしてきた。従来の終身雇用モデルは大きく変化し,長期的な雇用の安定から,仕事の内容,職場の柔軟性,キャリアアップの機会といった側面に労働者の関心が移りつつある。職場における心理社会的ストレスに関する研究は,このような変化を反映して更新される必要がある。筆者は要求度-コントロール-サポートモデルおよび努力-報酬不均衡モデルを用いて,職場の心理社会的ストレッサーが精神的および身体的健康にどのような影響を及ぼすかについて研究を行ってきた。その結果,喫煙,不眠,腰痛などとの関連があることを明らかにした。笑い療法などのポジティブな介入についても研究を行い,笑いがコルチゾールの分泌低下と関連することを示した。ウェアラブル技術や人工知能の進歩は,個人に合わせたストレス管理戦略を可能にする精密医療の開発を後押ししている。社会経済的状況・労働環境が変化していることを考えると,今後の研究では,技術革新と行動的洞察を組み合わせて,より健康的な職場環境を促進する適応的な解決策を生み出していく必要がある。

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© 日本産業ストレス学会
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