抄録
共焦点顕微鏡と組み合わせたラマン分光装置は,光学的に透明な物質中の結晶の組成分析や状態分析を行うことが可能である.また,ピーク分離処理を行うことにより,サブミクロンサイズの多結晶集合体の構成鉱物個々の情報を得ることも可能である.そのため,ラマン分光分析法は,特に削りだしが困難なダイヤモンド中の鉱物や様々な理由により琢磨などの前処理ができない試料に対して,威力を発揮する.かんらん石属鉱物のキャラクタリゼーションとForsterite (Fo) - Fayalite (Fa)系における,ラマン・シフトの組成依存性について報告する