抄録
地球におけるmissing Xeの問題と関連して、Xe-SiO2系の高温高圧下における振る舞いを実験的に調べた。ダイヤモンドアンビルを用いてXeを圧媒体としてSiO2を約1GPaまで加圧し、レーザーで加熱後、試料をX線やラマン散乱、およびSEM、TEMにより調べた。その結果X線やラマン散乱では新たな化合物などの生成を示唆する結果は得られなかったが、回収試料のSEM観察ではスポット状にかなりの量のXeが残存していることが明らかになり、このXeは大気中で数百℃まで加熱してもそのまま安定に存在していた。どのような機構でこのXeが安定に存在しているのかを明らかにするため、回収試料の一部をFIBで切り出しTEMで観察したところ、SiO2の表面から数ミクロン程度内部に球状やいろいろな形状で封じ込められていることが明らかになった。これらの結果の解釈等について発表する。