日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会2008年年会
セッションID: R9-10
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R9:地球外物質の鉱物科学
ファヤライトの産状・形成年代に基づくY-86009 CV3炭素質コンドライト隕石母天体の形成進化過程
*城後 香里中村 智樹伊藤 元雄Messenger Scott
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抄録
CV3炭素質コンドライトY-86009隕石は多数の岩塊で構成されており、host matrixやほとんどの岩塊中に粒状 (5-50 μm) や脈状 (∼10 × 50 μm) のファヤライト (Fa>80) が存在する。これらのファヤライトは、host matrix・個々の岩塊ごとに存在量・Fa組成が異なり、かつ脈状のファヤライトは岩塊の境界で途切れている。よって、これらのファヤライトは、Y-86009角礫岩を形成する前に、天体内の異なる場所で、異なる条件の水質変成で形成されたと考えられる。host matrix・個々の岩塊に含まれる合計15個のファヤライトのMn-Cr形成年代を決定したところ、約45.60億年前に形成されたことがわかった。この年代は、他のCV3隕石中のファヤライト形成年代と一致する。従って、CV3隕石中の全てのファヤライトは、同一天体内の同時期の水質変成で形成された可能性が示唆される。
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© 2008 日本鉱物科学会
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