日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会2008年年会
セッションID: S3-12
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S3:大規模珪長質マグマシステム
西南極フォスディック花崗岩ミグマタイト複合岩体:珪長質マグマフィーダー帯としての評価
*斉藤 哲Korhonen Fawna J.Brown MichaelSiddoway Christine S.
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抄録

西南極マリーバードランド、フォード山脈に分布するフォスディック花崗岩ミグマタイト複合岩体は、ミグマタイト化した片麻岩類とそれに伴う花崗岩類からなり、中~下部地殻相当の変成圧力条件(約6~10 kbar)が見積もられている 。フォスディック岩体の花崗岩類は、珪線石を含みSrとBaに乏しいもの(低Srタイプ)と珪線石を含まずSrとBaに富むもの(高Srタイプ)に区分される。ジルコンU-Pb年代測定の結果、これらの花崗岩類はデボン紀~石炭紀の陸弧火成活動と白亜紀のゴンドワナ大陸分裂に伴う複変成作用が引き起こした深部地殻の融解により形成したと考えられる。白亜紀の高Sr花崗岩類は、マリーバードランドに広く分布する白亜紀の浅部貫入岩体であるバードコースト花崗岩とジルコンU-Pb年代・Sr-Nd同位体組成が類似しており、浅部地殻に珪長質メルトを供給したフィーダー帯に相当すると考えられる。

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© 2008 日本鉱物科学会
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