北海道に産する幌満かんらん岩体下部のハルツバージャイト中には、その層状構造と斜交するダナイトチャネルが複数発見されている。私達は、ダナイトチャネルとその壁岩であるハルツバージャイトを構成する鉱物の主成分・微量元素組成・Rb-Sr同位体組成を求めた。その結果、ダナイトチャネルと壁岩中の単斜輝石-斜方輝石がサブソリダスでの化学平衡状態を保持しており、ダナイトチャネルの固結年代が約50Maであることがわかった。さらに、単斜輝石の微量元素組成とSr-Nd同位体組成からダナイトチャネルは、沈み込み帯での海嶺沈み込みで生じたメルトの通過で生じたとした。