ジルコンやモナザイトなどの副成分鉱物中のサブグレイン(~5-20μm径)のU-Th-Pb年代測定は高温~超高温変成岩中に記録されている複雑な熱史に時間軸を入れるための信頼性の高い解析手段として広く用いられている。こうしたジルコンやモナザイトなどの年代値を解釈する際に、希土類元素の含有量や主要変成鉱物との間の元素分配値などは、ジルコン中のTiやルチル中のZr溶解度などとともに、結晶形態や内部構造による年代解釈を補完しつつ、より具体的に温度や圧力などの物理条件に結びつくデータとして注目を集めている。本講演では、高温変成岩中でのジルコンやモナザイトの挙動を共存するザクロ石との間の希土類元素分配その他の情報を用いて、放射年代値をザクロ石の形成ステージと結びつけつつ議論をおこなう。