日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会2008年年会
セッションID: S1-08
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S1:副成分鉱物から探る地球内部ダイナミックス
西オーストラリア ナリヤー岩体 堆積岩中モナザイトのウランー鉛年代分析
*飯塚 毅Malcolm McCulloch小宮 剛
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抄録

西オーストラリア ナリヤー岩体の堆積岩(30億年前)には、冥王代ジルコンが含まれている。本研究では、その堆積岩中(5試料)のモナザイトの年代分析をレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法を用いて行うことにより、堆積岩の起源をより詳細に知る事、及び堆積岩形成後の変成履歴に制約を与える事を試みた。その結果、これらの堆積岩が27-26.5億年前にかけて変成を被っている事、そして、堆積岩の起源に36億年前及び33億円前の花崗岩が含まれている事が分かった。また、これらの試料中で確認された最古のモナザイトは36億年前で、冥王代のモナザイトは確認されなかった。この結果は、冥王代ジルコンの母岩が花崗岩質ではなく、玄武岩-中性岩質であったために、モナザイトを含んでいなかったこと、または、花崗岩質でモナザイトを含んでいたが、36億年前以降の変成作用によって、それらが再結晶化したことを示唆する。

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© 2008 日本鉱物科学会
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