日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2009年年会
セッションID: R1-04
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R1:マグマプロセス・サブダクションファクトリー
白山火山岩中の斜長石:EPMAによるSr定量分析
*氏家 治
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抄録

白山火山の溶岩流およびマグマ性包有岩について,EPMAを用いて斜長石のSrその他の成分の組成を求めた。斑晶斜長石には,結晶外形にほぼ平行な汚濁帯をもつものがあり,おもにその化学組成を検討した。斑晶汚濁帯の内側では,An成分量と関係なくSrOの含有量がほぼ一定である。斜長石のSrO含有量に基づき,平衡共存した液体マグマのSr含有量を算出した。汚濁帯外側のAn成分に最も富む斜長石に対しては,全岩化学組成に対応した,約1200ppmから約550ppmの値が得られた。いっぽう汚濁帯の内側は,全ての試料において250~400ppmの範囲内の値を示した。以上から,Srに乏しい比較的均質な珪長質マグマと様々な程度にSrに富む苦鉄質マグマが混合したと示唆される。

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© 2009 日本鉱物科学会
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