日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2009年年会
セッションID: R2-P03
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R2:深成岩及び変成岩
キルギス・アトバシ地域のエクロジャイト(Choloktor Formation)の構造上位に位置する礫岩層中の変成岩礫
*高須  晃Baslaknov J.U.Bakirov A.A.Togonvaeva A.A.Satybaev M.M.Bakirov A.B.Sakiev K.S.Aidarkulov T.N.田切 美智雄
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抄録
キルギス南部天山アトバシ地域のCholoktor Formationの構造的上位には構造境界で礫岩層が累重している.礫種はエクロジャイトのほか,ざくろ石藍閃石片岩,藍閃石片岩,泥質片岩,石灰岩が見いだされた.礫岩中の礫として見いだされたエクロジャイトは2回の高圧変成作用を受けている.1回目の高圧変成作用は緑色片岩相,エクロジャイト相 (490-590℃,>15 kb),緑色片岩相の経路を示し,2回目の高圧変成作用は緑れん石青色片岩相,緑れん石角閃岩相そして緑色片岩相の経路を示す(Baslakunov et al., 2008). このように今回報告する礫岩中の礫としての変成岩類はCholoktor Formationを構成する変成岩類と比較して,変成岩の種類が多様であること,またエクロジャイトについて比較しても変成P-T経路が全く異なっている.したがって,礫岩中のエクロジャイト礫はCholoktor Formationに由来するものではなく,アトバシ地域には時代の異なる2回以上の高圧変成作用イベントが存在したことを示す.
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© 2009 日本鉱物科学会
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