抄録
地球温暖化対策として研究開発が進むCO2地中貯留では、長時間経過後はCO2が炭酸塩鉱物に変換されて永久的に固定されると予測している。平衡論的地化学モデリングでは,Na-Al含水炭酸塩である「ドーソン石」が大量に生成する、すなわちCO2鉱物固定に重要との結果が導かれる。一方、圧入CO2の流動を加味した反応輸送論モデリングでは、ドーソン石はかなり異なる挙動をとる。現実的な岩石システムでのドーソン石の役割にはまだ未解明の部分が残されており、それらを明らかにするナチュラル・アナログ研究が必要である。