抄録
平尾花崗閃緑岩の分布地域にて珪長質深成岩起原の風化生成物を蛍光X線で分析した。風化帯の鉛直方向の組成変化を探る為ハンドオーガーを用いて最大 3m の深さまで柱状に試料を採取した。深さ方向に対して分析結果(酸化物又は元素濃度)の変動するパターンは多様なものがみられ,深さとともに徐々に値が減少する傾向のもの(LOI, CaO, Na2O, Ni, Zn, Sr)や,濃度変化に極大があるもの(MnO, P2O5, Cr, Rb, Sr, Y, Nb, Ba)に区分する事が出来た。これらの深さ方向に対する濃度変化の解析については,風化の程度の違いや,風化過程における元素移動などを考慮しなければならず,より詳細な検討をする必要がある。