日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2010年年会
セッションID: R4-20
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R4:変成岩及びマグマプロセス
長石中のリンの組成累帯構造から見る黒雲母の形成過程
*中村 文河上 哲生
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キーワード: 長石, リン, 組成累帯構造
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抄録
長石中ではリンは非常に拡散が遅く、長石形成時の情報を保存し得る。この特徴を利用し、黒雲母ザクロ石片麻岩中の、ザクロ石から黒雲母+長石インターグロウスが形成する過程の素過程制約を試みた。インターグロウス部とマトリクスの長石の間には、(1)長石一粒子中に、パーサイト組織を呈する部分とアンチパーサイト組織を呈する部分が隣接する組織、(2)黒雲母が鋸歯状組織をもち、長石のOr相に突き出す組織、が観察される。(1)は750-825℃、(2)は(1)より低温で長石中のカリウムを消費し、黒雲母が成長することにより形成される (中村ほか, 2009)。拡散距離の観点から、インターグロウスは(1)の形成前の750-825℃以上で、ザクロ石とメルトが反応して形成された。またマトリクスの長石は、リンに乏しいコアとインターグロウス中の斜長石と同程度にリンを含むリムをもつ。この部分は斜長石と同時期にメルトから結晶化した。
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© 2010 日本鉱物科学会
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