マグマ物質を直接かつ連続的に解析する方法の確立とそのデータに基づく噴火推移予測を目指し,我々は自動火山灰採取装置を中心とする連続自動噴出物採取システムの確立を行った。一方,マグマの火道上昇過程や爆発時の情報をマグマ物質から読み取り,火山活動の指標となる観測量を見出すため,様々な分析を行った。その結果,諏訪之瀬島火山では火山活動が活発で連続的に噴火しているときほど低石基結晶度,高発泡度の火山灰が放出され,活動度の低いときには高石基結晶度,低発泡度のものが放出されることが分かったため,これらの量比を指標にして活動度の評価を行った。また,桜島火山では,化学組成の時系列バリエーションから,比較的よく似ているが僅かに組成の異なるマグマが絶えず混合していることが示唆された。