日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2010年年会
セッションID: R4-P04
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R4:変成岩及びマグマプロセス
領家帯柳井地域新期花崗岩(木部岩体)のマグマ過程
*赤崎 英里亀井 淳志大和田 正明
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抄録
西南日本内帯には白亜紀花崗岩類が広範囲に分布し,その中で領家帯柳井地域は,古期花崗岩,新期花崗岩および山陽帯花崗岩から構成されている.本研究では,各岩体の形成過程などを明らかにすることを目的とし,新期花崗岩である木部岩体についての岩石記載およびSr・Nd同位体比組成を含めた岩石化学的な特徴を報告する.  木部岩体は,山口県柳井市から由宇町にかけて分布する.中粒の黒雲母花崗岩で,自形性の強い斑晶状のカリ長石を含むことで特徴づけられる.主要鉱物は石英,カリ長石,斜長石および黒雲母であり,少量の白雲母や褐れん石を含む場合がある.全岩化学組成では,SiO2含有量の増加にともなってTiO2やCaOが顕著に減少する.また,岩体周辺部の白雲母含有花崗岩のSrI値が高いことから,周囲の泥質変成岩の同化作用が示唆される.以上のことから,木部岩体は分化同化作用によって形成されたと推察される.
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© 2010 日本鉱物科学会
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