日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2010年年会
セッションID: S1-20
会議情報

S1:サブダクションファクトリー
東北日本弧、安達太良火山に共存するソレアイト、カルクアルカリマグマ系列の進化メカニズム
*藤縄 明彦伊藤 太久
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

安達太良火山に共存する、ソレアイト(TH)、カルクアルカリ(CA)両マグマ系列は、互いに異なる親マグマに由来し、独立した進化過程を辿った事が明らかにされている。今回、本火山で,同時期噴出の両系列岩を選び、より精度を上げた岩石記載、層序に基づく、各マグマ供給系の時間変化を明らかにし、進化過程を比較検討した。 THマグマでは、連続的に積層した堆積物から、短時間内でのマグマ組成変化過程を検討した。岩石学的データは先行研究と調和的で,本系列岩が基本的に結晶分化で関連づけられる一方、噴出順序とマグマ組成との関係は単純ではなく、溜まり内の不均質、あるいは未分化マグマの混入の可能性が指摘される。 CA系列岩に特徴的な同源捕獲岩や不均質溶岩の岩石学的検討から、共通のマグマ源に由来するも,互いに結晶分化では関連づけられない2端成分マグマの混合過程が、本系列マグマの進化に効果的だったことが判明した。

著者関連情報
© 2010 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top