オフィオライト底部かんらん岩には,メタモルフィックソールから様々な流体が付加すると考えられ,沈み込み帯マントルのアナログたり得る.オマーンオフィオライト底部のかんらん岩について検討した.蛇紋岩化はソール直上では完全であるが、上位では比較的低くなる。ハルツバーガイト、レールゾライトが卓越する。かんらん石のFo値は90.7-92.5、スピネルのCr#は0.2-0.6である。再結晶した輝石類のAl2O3が非常に低い(1 wt%以下)。また、ホルンブレンドを普遍的に含む。これらから、ソールからの水に富む流体の付加を伴う、低温の変成作用を被っていることが判明した。