東南極大陸 Naper 岩体の Riiser Larsen 山に産する片麻岩に含まれる ternary feldspar には特異な離溶組織がみられる.Napier 岩体に産する ternary feldspar に関して,その化学組成から変成温度を見積もるなどの研究は行われているが,冷却過程を通じて形成される組織について組織の形成過程に着目した研究は行われていない.本研究では Riiser Larsen 山の片麻岩中の ternary feldspar について離溶組織の特徴から分類を行い,さらに EBSD による離溶組織の界面方位の決定,TEM による微細組織の観察を行なった.それらの結果を用いて Riiser Larsen 山の片麻岩中の ternary feldspar にみられる典型的な組織の形成史を明らかにし,ternary feldspar を含む岩石の冷却史に制約を加えた.