東赤石かんらん岩体に見られる塊状クロム鉱床における詳細な鉱物共生の検討を行った。鉱体の周縁部は著しい変質作用を被っており、多量の含クロム緑泥石、クロム透輝石、クロム角閃石、金雲母、および少量の灰クロムザクロ石が晶出している。また、緑泥石、透輝石はCrの含有量で2つのタイプに分類される。クロム鉄鉱のCr#(=Cr/(Cr+Al))の値は最大0.96、最小0.66平均は0.83±0.077である。また、一部Mg#(=Mg/(Mg+Fe))>0.5のものがあり、それらはmagnesiochromiteに属する。確認できる硫化鉱物は主にFe-Ni sulfidesであり、他にCu sulfidesも見られる。