日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: T1-P01
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T1:岩石-水相互作用
ボーリングコア試料の岩石磁気学的特性に基づく堆積岩微細ファブリック:北海道幌延地域に分布する稚内層の例
*井上 貴至伊藤 康人
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抄録
地層流体移動の実態解明には地層・岩体内の割れ目形成・発達過程を知ることが必要不可欠である。一般に岩石は微量の強磁性鉱物(磁鉄鉱など)を含んでいる。そこで今回、北海道北部・幌延町のコア試料(稚内層の珪藻質泥岩)の岩石磁気学的分析を行い、構造運動や堆積岩の微細ファブリック評価を試みたので、その予察的な成果を報告する。岩石磁気学的分析にあたって、地層面の走向傾斜の比較から稚内層ボーリングコアの原位置方位を決定した。直径1インチの試料片をそこから抜き取り、超伝導磁力計を用いて残留磁化測定を、KappaBridgeを用いて初磁化率異方性(Anisotropy of Magnetic Susceptibility; AMS)パラメータ測定を実施した。残留磁化方位は大きな西偏を示し、反時計回り回転を示唆する(消磁実験によって信頼性を検証する必要あり)。AMS主軸は極めて均一な方位を示し、微視的な岩石ファブリックを反映していると考えられる。
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© 2011 日本鉱物科学会
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