日本列島および海洋底のモホを岩石学的に点描する。前者は捕獲岩、後者は現在の海洋底およびオマーンなどのオフィオライトからの情報から推定する。東北日本弧では角閃岩、グラニュライトよりなる下部地殻、ハルツバーガイト~レールゾライトよりなる最上部マントルの間に、輝石-ホルンブレンド岩よりなるモホ遷移帯が存在する。西南日本弧では、かんらん岩とグラニュライトの間にスピネル・ウェブステライトよりなる遷移帯が存在する。これらは若い集積岩の付加により様々に改変されている。海洋底ではハルツバーガイトよりなる最上部マントルがダナイト+ウェールライト+ガブロバンドよりなるモホ遷移帯を経て層状ガブロよりなる下部地殻となる。この構造は後期貫入岩類により様々に改変される。