モホ面は地震学的な不連続面として検出され,それは地殻-マントル境界での化学的(物質的)不連続性に起因している。では,モホ面は力学的にも不連続性をもつのだろうか?一般に大陸モホ面は,地温勾配が高くまたモホ面がやや深部に位置するため,延性的に振る舞い力学的に不連続である可能性が示唆されている(Burgmann & Dresen, 2008)。一方,海洋モホ面は,その深度が浅く海嶺から離れると地温勾配が低くなるため,脆性的に振る舞い力学的に連続であると考えられている(Kohlstedt et al. 1995)。しかし,地震波観測データやオフィオライトの調査から,海洋モホ面でも岩石が延性的に変形した証拠が報告されている。そこで,本研究では岩石のレオロジー特性に関する最新のデータを用い,海洋モホ面でのレオロジー構造を検証する。