東太平洋海膨の南緯17度および15度45分の拡大軸下上部マントルの電気伝導度構造について紹介する。海底マグネトテルリック法によって得られたデータを、電気伝導度の異方性を考慮した2次元インバージョン法により解析した。南緯17度の拡大軸下では、鉛直方向にのびた高電気伝導度異常がイメージされた。しかも電気伝導度の値は拡大軸に平行、直交な方向よりも鉛直方向により高く、メルトが鉛直方向によく連結していることを示唆する。一方南緯15度45分の拡大軸下では、顕著な高電気伝導度異常はイメージングされなかった。これは、部分溶融量が少なく連結していないか、またはメルトの生成・噴出が間欠的であることを示しているのかもしれない。